尾崎南について
尾崎南について、私は複雑な感情を抱いております。
惹かれているのだけれど、それを認めたくない部分があるのです。
というのも彼女とは考え（ＣＰ）が真逆でしたから（笑）、最初から『うそありえん！』と思っていたのですよ。
でもいつだって、彼女はひどく気になる存在でした。
尾崎南を知ったのは私がまだ高校生の時、彼女がまだ同人オンリーでいわゆるＣ翼全盛の頃でした。前述したとおりＣＰが逆でしたから、存在を知ったのはアンソロジーだったと思います。それとも他校のＣ翼友達が貸してくれた本の中にあったのかな。そのあたり曖昧です。
でもとにかく、鮮烈でした。絵も、なによりそのストーリーが。
現在（2004）の絵もどんどん描き込まれて美しいとは思うけど、私はあの当時の線いっぽんですらすら、と描いた絵が忘れられません。むしろあの時のほうが断然引力があって好き。絵の魅力とは、描き込みの細かさとか、技巧とかではなく、天性のラインなのだと私は信じてますが（少なくとも私はそういう絵に惹かれる人間です）、あのころの尾崎南はそれを具現してました。
ストーリーも、他の人なら痛くて描かない部分をずばりと斬り込んでおりましたよ。びっくりした。この人、こんなん描いて自分も痛まないのかなって。
読む方も痛むけれど、先を知りたい、どこまで行くのか見てみたい、そういう麻薬のような痛みでした。
言語にも抜群のセンスを持っている人だと思います。
その当時の本のタイトルの一例→『さよならをゆるして』『神風』『残酷に告白』『だからさよならなんかいわせない』『汚レタ純情』『ＤＯＬＬ』『彼烈火』ｅｔｃ・・・
・・・凄いでしょ！？
天才。
高河ゆんもおおや和美も商業誌で漫画を描き出したことだし、尾崎南がメジャーデビューしたら一体どこで描くか友達と盛り上がったりしてたのですが、なんとマーガレットで連載を始めるとのことでびっくりしたもんです。『え〜！・・・（掲載しても）いいの？』みたいな（＾＾；）
『絶愛』は単行本が出たら買ってました。でも好き・・・ではなかったな正直。どうしても同人世界の踏襲にしか思えなかったし、実際後に掲載されたトーク（東●烈伝でしたか）で尾崎南自身もそれは認めていたし。
商業誌で描いちゃうのってちょっと違うでしょ、みたいな。でも尾崎の傾倒ぶりはこれまでの本で知っていたからその気持ちは（自分では出来ないけど）分かる気もした。
漫画家尾崎南が出すものは、それでもひととおり買ってましたよ。だって気になるんだもん。
それに途中からファンクラブにも入った（爆）。だってそうでもしないと近況がつかめなかったんだもん。年間80ページ？くらいしか描かない時期があるような漫画家じゃ・・・・。
なんだかんだ言ってめろめろなんでしょうか私。ドラマＣＤやビデオもあるよ！（ぎゃあ）
いちどコミケの時に（もう本は買わなかったけど）尾崎南を見にサークルまで行ったことがあります。販売の行列とは別に、ずら〜っと尾崎南に挨拶待ちの人たちの列があってねえ。遠巻きにちょろっと見物して帰ってきました。その時尾崎南包帯して車椅子に乗ってました。話だけじゃなくホントに怪我だらけ（倒れたりよくするらしい）なのね〜・・・、と妙なことに感心してました。
不思議な人だと思うのよ。バリバリのヤンキーねえちゃんで不良街道まっしぐらかと思いきや男に隠れてペン入れしてるような謎めいたところがあったり、高級車乗り回してマンション何度も引越ししたり。なのにああいう漫画描いてる。そのギャップがまたなんとも魅力。（化粧も服も体型も気にしない引きこもりのような女があの漫画描いてたとしても面白くもなんともないしね）
『ＢＲＯＮＺＥ』になり、南條晃司が声でなくなった辺りから面白くなって、その時は別マも買ってました。『東●烈伝』のトークから、尾崎が同人とはもう別物を描き出そうとしていることに気づいて面白くなったのかもしれない。
その後、ファンクラブが解散になったので自然と情報が入らなくなり、ＢＲＯＮＺＥも本屋で見たら買う、みたいになってました。例によって休止期間があったから、続けて描いてたのも知らなくて完結したのすら知りませんでした。友達に教えてもらっても『ああそうなんだ〜』みたいな。
それでも先日気が向いたのでネットで残り数冊をまとめて購入し、ガーっと読んでみました。うう〜ん泥沼。
でも、終わりは爽やかだったかな？ああいう話の終わらせ方をする人だったんだ。ちょっと尾崎観変わったかも、です。
今彼女何やってるんだろ。他の漫画とか描いてるのかな。
『呪縛』からもし解かれたのが本当なら、この後も漫画家として描いていけるんだろうけどな。
相変わらずブッ倒れては包帯巻いてる日々なんでしょうかね・・・（笑）
・・・と思って公式サイト見てみたらなんだかＢＲＯＮＺＥ続いてるんですか？あれ〜？（笑）
まあ尾崎南ならありうる・・・。